見学会で最後の別れ 2021年度解体の浪江5小中学校

【福島民報ニュース】

2021(令和3)年度に解体される浪江町の浪江、幾世橋、大堀、苅野の各小と浪江中の最後の見学会が23日始まり、東京電力福島第一原発事故で全町避難を強いられた当時の児童生徒が学びやに別れを告げた。「ありがとう、忘れない」。学校の思い出と、発生から10年目を迎えた原発事故を風化させないとあらためて誓った。

浪江中1年1組の教室で、自分の席に腰掛ける伊藤さん。壁にはプリント類などが震災当時のまま残る

 原発事故当時、浪江中1年1組だった会社員伊藤舞さん(22)=東京都在住=は自分の教室を見渡し、懐かしさで胸がいっぱいになった。「大切な場所。ここで過ごした日々が一番楽しかった」

 クラスには幼稚園からの幼なじみが多く、みんな笑顔が絶えなかった。2011年3月11日は卒業式。「当日、教室の黒板に書かれた目標は『卒業式をマジメに行おう』。本当に騒がしかった」と笑う。
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